むし歯を予防したい
むし歯の診断(その歯がむし歯かむし歯でないかの判断)は歯科医師の主観に左右されると言うことを知っていましたか?
イギリスの研究では患者さんから抜いた歯200本を12名の歯科医師がむし歯かむし歯ではないかを検査したところ、12名全員がむし歯で治療が必要と答えた歯はたったの6本だったのです。
その研究からむし歯の診断は、むし歯かむし歯ではないかの判断ではなく、治療すべきむし歯か治療の必要がないむし歯なのかを判断することが大切であると言う考え方に変わりました。
しかし日本の歯科医師やお母さん方は目を皿のようにしてむし歯を探し、見つけたら治療すると言う歯科医療を続けています。
治療した歯は再治療の確立が高くなります。
再治療は歯の神経を取る可能性も高くなります。
神経を取った歯は寿命が半分になると言われております。
従って治療の必要ない小さなむし歯は、ご家庭と歯科医院で管理することが大切なのです。
いいの歯科医院ではお子さんの定期検診時にレントゲン写真を撮影してむし歯の診断を行っています。
これにより治療が必要なむし歯か必要ないかを診断します。(レントゲン写真撮影は基本的には年一回です)
治療の必要がないお子さんやむし歯がないお子さん
むし歯はむし歯菌が原因です。むし歯菌はお父さんお母さんやご兄弟など近親者から感染します。(むし歯菌が全くいない無菌的なお口はありえません。)
みなさんのお口にむし歯菌がいるのですが、むし歯にならない人やむし歯になりやすい人がいます。
むし歯になりやすい人には理由があります。
甘いものを取り過ぎていたり、唾液の量が少なかったり、むし歯菌が多くなっていたりなど、むし歯のなり易さを調べて、おひとりおひとりパーソナルなむし歯予防のプログラムを提示し、実践して頂きながら歯科医院とご家庭で見守り続けます。
(むし歯のなり易さの検査は検査薬代金2,160円がかかります)
歯並びが悪い
大人になって歯並びが良くなかったり、上あごと下あごのバランスが良くなくて受け口だったりでっぱちゃんだったりする方の矯正治療は、永久歯の抜歯が必要となることが多いです。
また、矯正治療だけでは改善が困難で、外科的治療が必要となることもあります。
歯並びが良ければむし歯や歯周病にならないわけではありませんが、バランスの良くない歯並びは姿勢や呼吸、消化に悪影響があるとされています。
またむし歯や歯周病のリスクファクター(重症化しやすい)となります。
小児矯正治療はお子さんがまだ成長期であり、その時期に矯正治療を開始することで永久歯の抜歯や外科的治療を回避することが可能です。
まだ乳歯が残っている時期から矯正治療を開始することで、上あごと下あごのバランス良い成長を促し、生え代わった永久歯(前歯)を重なりなく並べ、奥歯が生え代わるときに十分なスペースが確保され、バランスの良い理想的な噛み合わせを得る可能性が高くなるのです。
小児矯正治療の開始時期
歯並びを整える矯正治療は何歳からでも始められますが、出来るだけ永久歯を抜かずに、上あごと下あごのバランスの良い成長を促す矯正治療をするのは、小学低学年から始めることをお勧めします。
(歯の生え代わりのスピードや顎の成長・発育によっては開始年齢を早めたり、遅らせたりすることもあります)
いいの歯科医院ではお子さんの成長・発育に合わせた矯正治療に精通した矯正医が勤務しております。
いつでもご相談下さい。
また矯正治療のみを行っている歯科医院ではなく、予防歯科に力を注いでおります。
歯並びだけでなくその後のむし歯や歯周病を含めたお口の総合健康管理を提供しておりますので、安心してお子さまをお預け下さい。
乳歯のケアって?
乳歯に限らず永久歯も含めて予防に力を入れることは大切ですが、特に乳歯はその構造も弱く、むし歯が重症化しやすいので、より注意が必要です。
乳歯だけでなく、むし歯予防に最も大切なのは砂糖の摂取回数(飲食とも)を増やさないことです。
特に乳歯が生えそろう2歳半から3歳までが最も大切で、「感染の窓」と呼ばれている時期です。
この時期に甘いものを多く摂取するとむし歯菌が増えるだけでなく、悪玉菌になると言われており、むし歯になるリスクがぐーんと高くなります。
また、3歳を過ぎたらフッ素入りの歯磨きペーストを使用すると歯が固くなり、よりむし歯になりにくい乳歯に鍛えることが出来ます。
お子さんだけでなく、お父さんお母さんはじめご家族のケアも大切です。
甘いものが大好きな方は悪玉むし歯菌が多く潜んでいます。
お子さんへの感染をなるべく防いでほしいですが、親子のスキンシップは身心の育成にとても大切です。
過剰な心配をしない様にして欲しいです。
歯の生え代わり
乳歯から永久歯に生えかわる時期は小学校低学年頃ですが、早いお子さんは就学前に交換することもあります。
多くは下あごの前歯から交換が始まり、上あごの前歯に移行します。
その後、小学校中学年から高学年にかけて奥歯の交換となります。
遅い子は中学生まで乳歯が残る子もいます。
そして、15歳で永久歯列が完成し、小児科と一緒に小児歯科も卒業となります。
前歯の交換時期に乳歯の後ろから永久歯が生えてくることを多く見かけます。
歯並びが悪くなるのではと早く抜いて欲しいと言うお母さんがいますが、歯並びは歯の大きさと顎の大きさの関係で決まります。
乳歯から永久歯へきれいに交換したとしても、顎が小さくて歯が大きければ歯並びが重なる可能性は高いですし、逆に歯が小さく顎が大きければすきっ歯となります。
また、過剰な永久歯が埋まっていると永久歯の交換に悪影響となることがありますし、生えかわる永久歯が無いお子さんもあります。
この様なことは持って生まれたものですから変えようがありませんが、当院を定期的に受診しただき、レントゲン検査を受けて頂ければ早い段階でアドバイスが出来ますので、早め早めの対応が可能となります。
歯医者が嫌い
まず、お子さんに歯科医院に慣れて頂くために、トレーニングから開始します。
勇気がないお子さんや怖がりなお子さんは歯科衛生士や女性歯科医師からのトレーニングから始めたりします。
治療の練習をして慣れてきたら、治療に入ります。
むし歯の大きさはレントゲン写真で診断しているので、深いむし歯や怖がりなお子さんは麻酔を行ってから治療します。
乳歯は奥歯が治療の対象で上下左右4ブロックに分けて治療を行います。
乳歯の前歯はむし歯の進行を抑制する効果があるお薬を塗布して管理します。
また、お母さんが不安でいるとお子さんも不安な気持ちになりますのでなかなか協力的になってくれませんので、そばにいるから大丈夫よと言い聞かせて来て下さい。
トレーニングや治療は歯科医師や歯科衛生士が行います。
お子さんへの話しかけも私たちが行いますので、お母さんから沢山の指示を出さないようにお願いします。
治療はなるべく痛みが無い様に行いますが、絶対に痛みを与えない約束は出来ませんので、「先生は痛くしないからあーんしなさい」などと言わない様にお願いします。